空に唄うペンギン

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ペンギンは、音痴だった。

それに加えて、運動も勉強も苦手だった。

立つことも苦手だから、いつも転んでいた。

しかし、誰しもが彼女には勝てないのだ。

彼女には、”楽しむ”という才能があった。

彼女は、いつも楽しんで唄った。

彼女の十八番は「さかなとにんじん」だった。

また「なんだなんだ」が始まったぞ。という周りの言葉なんて耳にすら入らない。

ただただ「ぺろりーと、食べちゃうぞ!」という一節に命をかける彼女。

なんという素晴らしい才能だろうか。

その才能は、知らず知らずに周りも笑顔にしていたのだった。