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熊は無口だった。
ずっと、どうやったらチヤホヤされるか考えていたのだ。
歳を重ねた彼には、尊敬されたい下心があったし、
それゆえ、嫉妬心もそれなりにあった。
アライグマの行動力も、シマウマの美しい走りも
羨ましくて仕方がなかった。
彼はおもむろに、昔もらったメダルを首にかけた。
逆にみんなよそよそしくなった。
どうやったら尊敬されるのか。わからんのう・・・。
今さら外せなくなった、水族館でもらった入館1万人目の記念メダルを胸に
彼はまた次のチヤホヤされる方法を考え始めた。